集まるだけの時間は無駄なのか?フルリモートだからこそ分かった“余白”の価値
柳澤大介はマーケティングのプロであり、その豊富な知識と情報分析に基づいて「賢い経営戦略」を練り上げるスペシャリスト。安田佳生は境目研究家を名乗り「おバカな人ほど儲かる時代が来る」と断言する変わり者。
ある意味真逆な思想を持つ二人が、世の中の様々な経営戦略について独自の視点から意見を述べ合う番組が「賢い戦略vsおバカな経営」です。
読むポッドキャストでは音声番組の内容を読みやすく要約してお届けしています。
第15回は「リモートワーク時代にオフィスは必要なのか」です。
サマリー
- 社名「マイノリティ」の由来は、学生時代に愛用していた裏原系ブランドと「少数派」という意味
- フルリモートを続けたからこそ気付いた、無駄がないというのは余白がないということ
- 自己完結できる人こそ、リアルで集まる時間を持ってみませんか
なぜ社名を「マイノリティ」にしたのか
安田:柳澤さんに、今日はまず聞いてみたいことがあって。柳澤さんの会社は、マイノリティっていう名前じゃないですか。なんでマジョリティにしなかったんですか。
柳澤:マジョリティが嫌いだからです。嫌いというか、学生時代の頃から人と違うというか、集団で行動するのが私はすごく苦手で。ただ、学生の時って学校が全てなので、その輪から外れてしまうと自分の居場所がないじゃないですか。
安田:はい。
柳澤:そういう時に、高校生ぐらいですかね、裏原系のファッションが流行っていて。そこにマイノリティという服のブランドがあって、デザインが私は好きだったんですよ。よくよく意味を調べてみたら、人と違う、少数派みたいな意味があって。すごくいい言葉だなと思って。
安田:なるほど。
柳澤:思春期の私にはすごく心に響いた言葉だったので、20年後に社名にしちゃいました。
安田:そうなんですか。謙虚につけたわけじゃなくて、マイノリティが好きなんですね。
柳澤:はい。
安田:なるほどね。そんな柳澤さんから、今日はテーマをいただいていますが、会社にただ集まるだけの機会は必要なのか、無駄なのか、という。
無駄がないというのは、余白がないということ
柳澤:そうですね。コロナ以降、リモートワークが急激に普及して、その恩恵を受けて私も独立したところがあるんですけど。ここ最近、出社回帰が広まってきていて、Amazonも週5出社になっていたりするじゃないですか。
安田:はい。
柳澤:私はフルリモートにしたことによって、会社に行くことのありがたさを感じることがちょいちょい出てきたんですよ。例えば、週に5日ずっと自宅でリモートワークをしていると、生産性はすごく高いんですけど、同じ環境にずっといるので、ストレスが溜まるというか。
安田:私は全然ストレス溜まらないですけどね。
柳澤:それが週に1日か2日、客先訪問などで外に出る日があると、すごくリフレッシュできて、ストレスが軽減されていくのを感じるんですよね。
安田:まあ、肉体がある生き物ですからね、人間も。それは健康のためにも絶対必要でしょうね。
柳澤:家にいると全然歩かないし、運動もしないじゃないですか。出社すると、移動するという概念があるので、仕事も終わりがあるわけです。ところが家にいるとずっと仕事をしちゃうんですよね。
安田:私は5時を過ぎたら絶対やりませんけど。
柳澤:あはは(笑)。ただ、オンラインで繋がっていない限り、雑談とかたわいのない話もないじゃないですか。全くと言っていいほど無駄がない。
安田:無駄がないというのは、確かにあります。
柳澤:だけど無駄って結構必要だなと。無駄って、余白でもあったりするじゃないですか。
安田:はい。
柳澤:今、オンラインコミュニティ「サクラダ・ファミリア」とかで、役員は月に1、2回は出社したりするじゃないですか。別にリモートでやってやれないことはない。
ああやって集まるというのは、一見、非合理なんですけど、人にとってそういう無駄なことってすごく大切だなと思っているんです。安田さんはどう思いますか。
安田:私もこないだ収録イベントというのをやりましたけど、リアルで人と会うとか、リアルで何かやるってすごく大事だなと、やった時にはすごく感じるんですよ。ただ、外に出ると外食とかお酒がセットになっているので。
また飲んじゃったな、またどうでもいいものを食べちゃったな、みたいなのはあったりします。でもやっぱり、リアルでしか得ることができないものは、そりゃありますよね。
安田さんの脳を活性化させるのが、私の仕事
安田:柳澤さんとも一緒に事業をやっていて、月に1回とか2ヶ月に1回とか、リアルで会うじゃないですか。結構長い間、何のテーマもなくブレストしてみようよ、みたいなこともやりますけど。あの時、柳澤さんを見ていて、あ、この人はすっごく嫌なんだろうな、と思いましたが。
柳澤:そうなんですか。そんなことないです。
安田:意外でしたね。「必要だと思いますよ」と言われて、あ、そうだったんだ、と。絶対いらないって言うと思ってましたよ。
柳澤:元々はそういうタイプなんですけど、相手にもよりますよ。
安田:ああ、そうなんですね。
柳澤:安田さんをときどき非日常空間に連れ出して、安田さんの脳を活性化させることが私の仕事だとも思っています。天才をずっと家に閉じ込めていてはいけないと。
安田:うれしいですね。
柳澤:私と同じようなタイプ同士だったら、そんなものはいらないと思います。でも、似たタイプの人同士だと、想像を超えるアイディアは出てこないんです。やっぱりタイプの違う人たちが集まって環境が変わることで、脳が活性化するのだと、勝手ながら思っているわけです。
安田:そうだったんですね、はい。
柳澤:ああいう場では、私は割と早めに結論を出して、サクサク進めていっちゃうタイプなんですけど、ブランドファーマーズ・インクの役員の皆さんは経営者でタイプの違う方がいらっしゃるので、できるだけ話を引き出そうと思って、じっと様子を見ているんです。
安田:あ、そうなんですね。帰りたかったわけじゃなかったんですね。
柳澤:帰りたかったわけじゃないです(笑)。
安田:そうなんですね。この、出社が必要かどうかって、レベルによってだいぶ違う話になってくると思うんですけどね。世の中的にリモートが増えたけど出社しようぜ、というのは管理の話じゃないですか。
前回も話しましたけど、多くの人はなかなか自分で自分を管理できないから、ある程度管理するために出社させる必要がある、というのが大前提で。でも、完全に自分で自分を管理できる人が、果たしてリアルで会う必要があるのかというと、やっぱりそれはあるよね、ということですね。
柳澤:そう思っています。なので、安田さんにそう思わせちゃっていて、すみませんという感じです。
安田:いつもつまらなそうなので。
柳澤:私の性分もあると思うんですけど、結論が見えないことをみんなでじっと考えるのが苦手で…。
安田:私は真逆で、結論が見えちゃうと興味が失せちゃうので、あえてそもそもの方に逆流しちゃうタイプなんですよね。それがまた刺激になっていいのかもしれませんけど。
柳澤:そういう人たちがたくさんいるので、場は別に嫌いではなくて、私にとっても学びがあるとか、何が出てくるんだろうな、みたいな。とは言いつつ、私なりのアウトプットも出さないといけないので、その狭間に揺れているわけです。
安田:本当に行った時は、行ってよかったなと思いますからね。我々みたいに自己完結してしまう一人社長さんとか個人事業主の人こそ、今まさに一緒にやっている「サクラダ・ファミリア」に参加してほしいですよね。
リアルで過ごす時間、オンラインで過ごす時間を共有したいなと思いますので。最後は宣伝になってしまいましたが、リアルも必要ですよ、ということで、以上にしたいと思います。どうもありがとうございました。
柳澤:ありがとうございました。
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