人も会社も成果にこだわれ!副業が叶えるWin-Winな労使関係の形
柳澤大介はマーケティングのプロであり、その豊富な知識と情報分析に基づいて「賢い経営戦略」を練り上げるスペシャリスト。安田佳生は境目研究家を名乗り「おバカな人ほど儲かる時代が来る」と断言する変わり者。
ある意味真逆な思想を持つ二人が、世の中の様々な経営戦略について独自の視点から意見を述べ合う番組が「賢い戦略vsおバカな経営」です。
読むポッドキャストでは音声番組の内容を読みやすく要約してお届けしています。
第5回は「副業解禁で会社は強くなる?弱くなる?」です。
サマリー
- 生活防衛のための必然性と優秀な人材確保の両面から、副業解禁は不可避
- 得意分野に特化して複数社で働くスタイルならば、1人の生産性が大きく高まる
- 自社でのフルタイム雇用に拘らず、外部人材を柔軟に活用できる企業こそ勝ち組になる
本業の稼ぎだけでは生活水準を維持できないご時世
安田:今日は副業解禁についてお話しします。副業を解禁している会社は、今どのくらいありますかね?
柳澤:コロナ前に比べるとかなり増えている気はしますが、全体の半分にも満たないのではないでしょうか。
安田:労働法上の様々な問題もあって、副業先の会社も含めて労働時間を管理しないといけなかったり、万が一の事故の際の責任がどこにあるのか?、情報漏洩などにも気を遣わないといけません。さらには本業の仕事がおろそかになるのではないかといった声もありますが、柳澤さんは副業について今後どうなっていくと思いますか?
柳澤:国内の物価はどんどん高くなっていますし、人口は減少傾向です。40-50年前では年を重ねれば年収は上がるものでしたけど、今はそうもいきません。
安田:完全に実力主義へ移行していってますよね。
柳澤:なので年収が上がる人は上がりますが、平均的な層の収入は物価の上昇に追いつけません。ある程度の生活水準を維持するには、企業側も副業を解禁せざるを得ないのではないかと思います。
安田:本業以外でも稼がないと生きていけないということですよね。そうなると、労働時間は長くなっていきますよね?
柳澤:週末や本業の勤務時間以外で働かないといけないので、総労働時間はどうしても長くなるでしょうね。
安田:初めはそうなりますよね。ただ私のイメージでは、本業と副業を区別したり、副業を単に収入を増やすための仕事と捉えること自体が変わっていく気がしています。柳澤さんや私のように自分の得意な部分だけを各企業に提供するスタイルだと、「5社で本業を行っている」という感覚に近くなるんです。
社員を雇うと得意な仕事だけをやってもらうというのは難しいので、1人の社員が高いパフォーマンスを発揮する時間もあれば、場合によっては赤字になる時間も生まれてしまいます。
それならば1社でのフルタイム雇用をやめて、その人が確実に得意で黒字を出せる業務だけを残した方が、働く側も快適で稼ぎやすくなります。1社だけではそんなに仕事がないので、同じことを5社や6社掛け持ちするのが良いと思っています。
柳澤:私が副業を始めた初期の頃はスキマ時間で稼働していましたが、得意なことの方が効率よく稼げることに気付いたのもあって働き方が変わっていきました。
安田:そういう人は増えていきますよね。
副業NGの会社に潜む、人材流出&採用難の二重苦
安田:いきなり本業を0にして副業を始めるのはリスキーなので、まずは本業以外の時間で副業を始めて時間あたりの単価を高めるのが安全です。「これなら本業を減らしても大丈夫だ」と判断できた段階で、本業を減らして副業の比重を増やす流れがスムーズですよね。
柳澤:そうですね。
安田:副業を増やす場合、本業の勤務時間を減らすことを会社が許容してくれるかどうかもポイントになると思います。
副業OKの会社であれば認められるケースが多いはずで、今までやっていたことを変わらずやってくれるのであれば、報酬が減るので会社側としてはありがたい話ですよね。しかしそれを許してくれない会社だと、優秀な社員は辞めざるを得なくなり人材流出に繋がってしまいます。
先ほどの話では「稼げない人のために副業を認めた方がいい」ということでしたが、むしろ「稼げる人材をキープする」という意味でも、企業は副業を認めざるを得ないように思います。
柳澤:私の周りは能力の高い人ほど副業をやっているので、禁止されたら会社を辞める人が沢山出そうです。
安田:今いる人が辞めてしまうのも問題ですが、外部の人材を自社に取り入れようとする際にも影響しますよね。自社の実力相応の人材ならともかく、それ以上の力のある人材の雇用は困難なはずです。
自力で稼げる能力がある人は今いる会社でも既に十分稼いでいるでしょうし、雇用ができないのはもちろん囲い込むなんてものすごくコストがかかります。それならば複数社で人材をシェアする感覚で外部人材をうまく活用するのが良い方法ですよね。
柳澤:私の会社でも社員は雇わずに各分野のスペシャリストに副業や業務委託という形で参画してもらっています。この方がお互いにとってWin-Winになっている気がします。
時間で人材を拘束する発想はもう通用しない
安田:私もそうですし、これから会社を作ろうとする人は雇用にこだわっていないので活用できる人材レベルがどんどん上がっていくと思います。一方で、既存の従業員を抱えていたり「自社で人を雇うことこそが企業の社会的責任だ」と考えている経営者もまだ多く存在します。
今後副業を解禁する会社と禁止し続ける会社に分かれていくとして、どちらが強くなるかというと明らかに副業を解禁している会社の方が有利だと思いませんか?
柳澤:優秀な人材は副業を解禁している会社で働きたいですよ。
安田:週3日や4日の勤務での雇用をしてくれる会社ならば選んでもらえるでしょうし、そういう会社は雇用できない人材とも外部パートナーとしてつながることができますから、副業の解禁と外注の活用はセットで進むように感じます。
柳澤:そうですね。
安田:副業を認めなかったり外部人材が好きではないと言う社長さんが特に中小企業には多いのですが、柳澤さんの周りにはそういう会社はありますか?
柳澤:業績が伸びていない中小企業ほど、副業禁止かつリモートワーク不可な印象です。監視していないと「社員が働いていないのではないか」と心配になるんだと思います。
安田:時間給で雇っていると、そういう発想になるのも理解できます。
業務委託であれば成果に対してお金を払うので、そのような心配はいりません。仕事ができる人ほど時間に拘束されるよりも成果で評価されることを望みますよね。ある程度優秀な人は時間で報酬が決まるのを嫌がる気がします。
柳澤:その通りですね。
安田:今後の予測として、副業を解禁する企業はさらに増えていくでしょうか?
柳澤:増えざるを得ないと思います。コロナ禍以降間違いなく増えていますし、この流れは止められないんじゃないでしょうか。
安田:「副業禁止」とするだけでかなり採用力が落ちますよね。これからは副業を禁止している場合ではないということで、本日の対談は以上です。ありがとうございました。
柳澤:ありがとうございました。
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