読むポッドキャスト

人間の“愚かさ”こそが巨大マーケット!これからの時代に磨くべき経営センスの話

柳澤大介はマーケティングのプロであり、その豊富な知識と情報分析に基づいて「賢い経営戦略」を練り上げるスペシャリスト。安田佳生は境目研究家を名乗り「おバカな人ほど儲かる時代が来る」と断言する変わり者。
ある意味真逆な思想を持つ二人が、世の中の様々な経営戦略について独自の視点から意見を述べ合う番組が「賢い戦略vsおバカな経営」です。

読むポッドキャストでは音声番組の内容を読みやすく要約してお届けしています。

第2回は「人は賢いのか?おバカなのか?」です。

サマリー

  • 「おバカ」なことも、それが広がると当たり前の常識になる
  • 生活必需品への出費には厳しく、娯楽などの不用品には大金を使ってしまうのが人間
  • 市場を勝ち抜く経営戦略を「おバカ」と「真面目」の凸凹コンビが語り合う番組

人間は「おバカ」である

安田:今日は番組の趣旨についてお話しします。「賢い戦略」「おバカな経営」という正反対なイメージのコンセプトをぶつけ合っているわけですが、柳澤さんは「おバカな経営」についてどのようなイメージを持っていますか?

柳澤:「おバカ」と言うとあれですが、やはりワイキューブがやっていたことなどは非常にユニークで、人がやらないことをやる経営をされているなという印象でした。

安田:会社の中にバーを作ったり、ビリヤード台を置いたり、社員に3時のおやつを出したり。当時は「あいつらはバカじゃないか」と言われましたが、今ではそのようなことをする会社も増えてきて福利厚生として普通に受け入れられるようになっていますよね。

バカげたことも、それが広がって常識化すると普通になります。私は基本的に人間はとてもおバカな生き物だと思っていて、「バカ」ではなく「おバカ」と言っているのがポイントです。

柳澤:違いがあるんですか?

安田:私は昔、「猿ならわかる経営の真実」という1回6万円の高額な講演会をやっていたことがあります。「猿ならわかる」と書いてあるのに、よく「猿でもわかる」と間違えられて怒られたりしました。

「猿でもわかるのだから人間でもわかるでしょう」ということではなく、「人間にはわからないけれど、猿だからわかる」という意味なのです。

柳澤:あー。

安田:人間には先入観があるので、それゆえにわからなくなってしまうことがあるんです。それと同じで、「バカ」ではなく「おバカ」というのは少し「愚か」という意味なのです。

ワイキューブ時代にやっていたことは周りからバカではないかと言われましたが、それによってメディアに取り上げられて良い人材が沢山応募してくれることにも繋がりました。

今はお米の価格高騰が大きな問題になっていますが、主食として一番大事な食べ物を安く買おうとする一方でコンビニに行ったらスイーツを衝動買いしたり、2,000円ほどするパンケーキを普通に食べたりするのが人間です。

「どう考えても必要ないだろう」というものにお金をかけるのに、電気代・寒さを防ぐための衣類・会社に行って仕事をするためのスーツや靴などの生活必需品にはお金をかけませんよね。破れたデニムに高いお金をかけたりする人もいます。

柳澤:ふふふ。

経営には「おバカ」と「賢さ」のどちらが必要なのか?

安田:人間にはそのような愚かな部分と賢い部分とがあるんです。どちらにフォーカスする方が儲かるのだろうか?というのがこの番組のテーマです。柳澤さんは非常に賢い人なので、賢い戦略をどんどん提案しますよね。柳澤さんと一緒に仕事をすると私だけがバカな人のように見えて嫌です(笑)

柳澤:そんなことないと思いますよ(笑)

安田:賢い戦略でいく経営者やそちらが好きな経営者の方が多いと思うのですが、私は両方のバランスが必要だと思っています。柳澤さんは少しおバカな提案などをすることもありますか?

柳澤:提案自体は割と王道を行くことが多いです。ただ世界中の会社の時価総額を見ると、例えばMetaのように日常生活に必須ではないサービスを提供している会社が高く評価されているじゃないですか。

価値がつきやすい会社は、生活必需品ではなく日々の生活を豊かにするための娯楽を扱っているイメージがあります。

安田:世界で一番のお金持ちであるイーロン・マスクも、大真面目に火星に人間を連れて行こうとしていますよね。生活に関するお役立ちグッズで言えば日本の大手企業の方がはるかに役に立つものを作っているのに、どうして彼が一番の大金持ちなのだろうか?と思います。

会社員の人に「なぜ会社に行くのですか?」と聞いたら怒られると思いますし、「生きていくために働いているのだ!」と言われそうなものですが、実際には生きていくためのコストはできるだけ払わないようにするのが人間です。

人生を振り返ってみると、生きていく上で不可欠だった出費とそうではない愚かしい出費とを比べれば、「今思えばいらなかった」と思うようなことに対して払ったお金の方が多いじゃないですか。

柳澤:そうでしょうね。

安田:ということはやはり、必要不可欠ではない領域の方がマーケットが大きいわけです。

大企業は生活必需品をいかに大量に安く売るかの勝負ができますが、小さい会社はそこで戦っても勝てません。私たちのような一人でビジネスをやっている人は、一見無駄なものにどうやって価値を感じてもらうかが非常に重要な気がします。

ただ王道を進むのではなく、相手にできないことを「真面目に」磨くという賢さ

安田:でも実際、柳澤さんは結構真面目な提案をするのですよね?

柳澤:そうですね。ただ、いわゆる人・物・金のリソースが足りない中小企業には大企業ができないことを提案しています。例えばコンプライアンスやガバナンスの観点で大企業では利用が制限されているSNSの活用とか。

安田:はいはい。

柳澤:戦う相手に応じて、一見遊びに見えるようなものも真面目に取り入れるように提案します。

安田:なるほど。

昔は遊び心のある商品がありましたが、最近の世の中はちょっと真面目にやりすぎている気がします。こんなことを言ったら怒られますが、エッセンシャルワーカーさんは報酬が低いし、本当に生活に必要不可欠なものに対してなぜか人間はお金を払いたがらないのです。

不要だけど欲しい、あると少しだけ豊かになった気がして嬉しい、というものに惜しみなくお金を使うのが人間です。そちらのセンスを磨く時期なんじゃないかなと考えています。

柳澤:そう思います。

安田:私はおバカな経営をいつも発信していますが、リスナーさんに偏りがあります。柳澤さんと一緒に話すことで普通の経営者さんや真面目な戦略で行きたい人たちもリスナーさんに取り込めるのではないかと思っているので、今後ともよろしくお願いします。

柳澤:お願いします。

 


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